手すき和紙

原料に、トロロアオイという植物のノリを混ぜ合わせますが、ドロドロした液から、丈夫な和紙ができます。  
この写真は、屋号を漉いていく作業を撮ったものです。

楮の木です。 コウゾは、クワ科の植物で、3メートル位に成長すると、寒い時期に根元から切り取ります。 
 この写真は、紙の博物館庭に植えてあったものです。 館内には、皮が付いたコウゾの束が展示されていました。

手漉き和紙は、全国(約74ヶ所)でつくられてい
ます。原料はさまざまです。

原料をコウゾ(楮)にしている岐阜県美濃市の手
すき和紙は有名です。伊勢型紙は美濃和紙を重ねた
もので高く評価されています。

美濃の気候と風土がコウゾ栽培に適し
和紙産業として栄えてきました。

奈良の正倉院には、1300年ごろ使用された和紙が
今も保存されています。

江戸時代から同じように和紙産業をすすめてきたのが
土佐和紙です。
明治初めに高知県の伊野町(現、いの町)で生まれた
吉井源太は、手すき和紙を全国に広めました。
昭和51年「伝統的工芸品」として、指定されています。
           (土佐天具帖紙、清帖紙など)

土佐天具帖紙は、「かげろうの羽」と言われ、非常に
薄い和紙で美術品の修復や和紙に欠かせない、貴重な
手すき和紙です。

現在は機械化しましたが、手すき和紙は一枚一枚
手で漉く高級な和紙です。

5,500gのコウゾ原木から、作業の繰り返しで
約15%の和紙しかできません。(障子1本、4枚分程度)

    (「いの町 紙の博物館」より、参考にしています)