和紙で「能」場面を再現 ここでは、能の物語を簡単に紹介します。
物語は、源氏物語の『夕顔」の巻から素材をとっていますが、光源氏に愛され る女主人公、夕顔が物の怪におそわれ急死してしまいます。 このテーマは、命の儚さで、「夢幻能」とも言われる幽玄的な美しさを表現して います。 平安時代の、ある夕暮れに、光源氏は人里離れたところで、垣根に白い花が 咲いている家を見つけました。そこに住んでいる訳ありそうな女主人、夕顔と の逢瀬がはじまります。夕顔は、香を焚き染めた扇に、切り取った 夕顔を載せ、和歌を添えて童女に持たせました。 『心あてにそれがとぞ見る白露の光添えたる夕顔の花』 好感をおぼえ、源氏が寄せた返歌です。 『寄りてこそそれかと見め黄昏にほのぼのと見つる花の夕顔 』 源氏と夕顔は互いに素性を明かさないまま、逢瀬がはじまります。 この物語の中心は、突然、急死した夕顔の亡霊が、半蔀戸を押し上げて (平安時代の寝殿造りで、雨風よけの戸のようなもの)、源氏との逢瀬を 偲ぶ幸せを舞い、朝方にはしぼむ夕顔の花のように儚く消えてしまう、 儚なくも美しい女主人公の物語なのです。 『古典総合研究所』から、参考にしています。 |
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2002年10月中旬に、生誕100年記念 白州正子は1998年に亡くなっています。
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