「花子のたび」は、色鉛筆を主体にして絵本を
描いています。
和紙を素材にして、描き直したいと、当初は思
っていましたが、
@完成まで時間がかかる、
A冬景色なので、色彩も限られていて、面白く
ないなど。
和紙を素材した、絵本は難しいと分かりました。
そんな中で、作り上げた場面がありますので、
画像をアップします。
花子は今日も、ミー姉ちゃんとおるすばんです。
花子はあそびたくて、しかたありません。「あっ、なー兄ちゃん
のボールだ」。花子が机の上にあるボールに とびかかった
とたん、「バターン!」と、大きな音を立て 本も一緒に落ちていきました。
「うるさいね、ねむれないよ。あそんでばかりいないで、勉強しなさい!」ミーお姉ちゃんが こわい目で おこったので、いそいで 下におりました。
「勉強って、なにするの?」
お母さんが お兄さんたちに言っているのと同じだな、と花子は思いました。
すると、ミー姉ちゃんは、ソファから起き上がって、じーと花子を見るので、花子も しんみように すわりなおしました。
ミイー姉ちゃんは遠くを見るような目で話しはじめました。
「わたしはね、もう、歳だから ゴロゴロしているけど、若い時には、毎晩、外に出ていたよ。夜会ってね、近所のネコたちが集まって、みんな 元気かって、話し合うんだよ。3けんとなりの
ニャ太郎は最近、見ないが病気らしい。向かいの白ネコは、
車にはねられたらしいよ。そうやって、仲間たちが
いなくなるんだよ」。
「いなくなるって、また会えるの?」花子は、どこかに遊びに行くのかと思いました。。
「花子は何にも知らないんだね。いなくなったら、もう、ぜったい逢えないんだよ」、さびしそうに言いました。
お母さん、お父さん、お兄ちゃんたち、ふーばあちゃん、そして、ミー姉ちゃん、公園で遊んだテリアのジエリーにも会えなくなったらどうしよう、花子は急に悲しくなりました。
<花子より 家族の紹介>
わたしは花子、6歳です。お父さん、お母さん、たー兄ちゃん、なー兄ちゃん、ネコのミー姉ちゃんと暮らしています。近くに住んでいる ふーばあちゃんがいつも遊びに来ます。
お父さんは会社で、しごとをしています。「いそがしい、いそがしい」と、あまり あそんでくれません。「日曜日ぐらい、花子をつれて行って」とお母さんが たのんでも、「こんど、あそんでやるぞ」と、花子の頭をなで お父さんは車で行ってしまいました。
お母さんは「パン屋」ではたらいて、夕方いそがしく帰ってくると「花子、散歩にいくよ。はやく」と、買い物のついでにさんぽです。なんか、せかされて、店の入口に置きざりです。「ポチ」「シバか」したしげに呼ぶ しらない人間もいますが呼んでくれるだけで、そうそう、しっぽを ふるわけにはいきません。
たー兄ちゃんは「サッカー選手になるんだ」と、まっくらになるまで帰ってきません。なー兄ちゃんは「野球」が大好きです。たまに お兄ちゃんたちが空き地であそんでくれる時には うれしくって いっしょうけんめいボールを追いかけます。
ふーばあちゃんは「ほら、花子」と、ぬいぐるみや食べものを いっぱいもってくるので、お礼に、しっぽをたくさん ふって喜ばせています。
この話は、主人公の柴犬「花子」が、さまざまな出会いを通して未知の世界を体験していきます。
絵本は子供向けの本ですが、ここでは童話というより、どなたでも読んでいただくように、花子が体験した気持ちを絵と言葉でつづっていきたいと思います。