つぎの日、公園にいくと、ともだちのジェリーが花子をみつけ 小さなしっぽを振って走って
  きました。  「かけっこしょう! あそこの池までさ」。
 
  池のほとりに着いたとき、花子は小さな口をならして仲間に叫んでいるスズメに気がつきました。
  パンのかけらを ついばんでいたスズメたちに ざわめきがおこり、花子はふしぎな感覚に
  なってじっとみていると、突然、バサーと音がして、2羽のカラスが、「おれさまが、先だ」
  羽を大きく広げ立ちはだかり パンに飛びつきました。
  「また、よこどりするんだから。関わりたくないから逃げようーと」。そこにいたハトたちも、
  わいわい言いなが らちらばっていきました。


  勝手なカラスのふるまいに、花子はたまりかね「だめだよ、スズメさんが見つけたんでしょ。
 よこどりしないで自分で見つけなさいよ」。 しっぽをきゅんとたて しかると、
 「そうだ そうだ、いじわるするな!」。 
 ともだちのジエリーも いっしょにおこりました。 

 「ふん、あんただってさ、人間から餌をもらってるんじゃないか」と、カラスは花子を
 にらみつけました。 お母さんからいつも 食べものをもらっている花子は一瞬 口ごもり、
 「でも、弱いものいじめは よくないよ」というのが精いっぱいでした。

    花子は勇気をだしてスズメを助けたのに、カラスの反撃から情けない気持ちになり 
    トボトボと歩きだしました。

 

花子、カラスをたしなめる